あなたと共にいる。あなたを見放すことも、見捨てることもない

　毎年3月になると、今まで卒業した園児のことを、今どうしているのだろうと思い巡らすことを繰り返してきました。
　その中のひとりに数十年前に卒業したAくんは、在園中は集団生活の苦手な子どもでした。その子が園で1番好きな場所は礼拝堂でした。保育中も時より礼拝堂に行きたがりました。そして礼拝堂に行くと自ら心落ち着け戻って来ることができるのでした。きっとA君は心のモヤモヤを神さまに受け止めてもらい、園で過ごす力をもらっていたのではないかと思っています。捜真幼稚園には保育者や友だちだけでなく、神さまが共にいることをA君はちゃんと理解していたのでしょう。
　またある日、卒業生の保護者Bさんが、突然訪ねていらっしゃいました。お子さんの驚きの訃報でした。その後、急遽教会で葬儀を執り行いました。その保護者Bさんも神さまが共にいてくださる幼稚園のことを思い起こし、駆け込んでいらしたのでしょう。捜真幼稚園は教会も併設しているので、いつでも戻って来る
ことのできる場所です。礼拝堂正面のステンドグラスのイエス様は大きく腕を広げ、あなたを待ち受けてくださっています。A君やBさんを温かく受け入れてくださるイエス様は今この時も…
世界で起こっている戦争や災害がいつ身に迫ってくるかもしれない不安定な時代、また平穏な日常であってもいつ何が起こるか知りえないのが人生です。しかしどんな状況下においても神さまは、『一生の間、あなたの行く手に立ちはだかる者はないであろう。わたしはモーセと共にいたように、あなたと共にいる。あなたを見放すことも、見捨てることもない。強く、雄々しくあれ』ヨシュア記1章５．６a節とあるように、イスラエル人を奴隷から救い出したモーセに立ちはだかる苦難の歩みを共にした神さまは、あなたに立ちはだかる苦難の中を共に歩んでくださり、私たちを励ましてくださっています。
　あなたを見放すことも、見捨てることもない神さまを皆さんも思い出して幼稚園そして教会に戻って来てください。幼稚園から離れても、神さまの愛はあなたへ注がれています。常にあなたを大きな愛で受け止め、雄々しくあれと励まし続けてくださることでしょう。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

副園長　岡野きよみ