園からのお知らせ

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認定こども園捜真幼稚園2023年5月園だより

見ている幸い 聞いている幸い

『あなたがたは目で見ているから幸いだ。あなたがたは耳で聞いているから幸いだ。』

マタイによる福音書13章16節

 毎年の、園内に響く新入園児の泣き声や保育室に入ることを拒むなど新年度ならではの光景が戻ってきました。一人ひとりにとっては初めての園生活や人との出会い、その受け止め方は様々です。先日も不安のあまり何でも嫌と言って保育室に戻らない子に、「やなんだよね、あれ誰もいなくなったね、どうする?一緒について行ったあげよか?」「うん」とのやり取りがありました。早く集団に慣れ、大人の期待に沿った姿になってと求めるのではなく、先ずは一人ひとりのそのままの姿を見てその声を聴く事に徹するよう、心がけています。それは成長への大切なプロセスとなっていくことに止まらず、聖書を通してイエスさまが私たちに示し、教えてくださっていることだからです。
 聖書に記載されている種まきのたとえ話(マタイによる福音書13章1〜23)の中でイエスさまは、正しい人とされた預言者でさえ、—本当に大切なことを見聴きすることは難しい。だから困難や世の思い煩いや富に誘惑されず、神さまの言葉を先ず受け入れることで私たちは、豊かな実を結ぶと語っています。私たちの知識や経験は、本当に大切なことを見抜くことの妨げになることが暫し起こります。それゆえ良い実を実られるためには、見たこと聴いたことすべて幸いなこととして先ず受け入れることだと語っています。
 我が子が生まれたばかりの頃は泣いている子どもの声に耳を傾け、顔を覗き、表情を伺いつつありのままを受け入れ育ててこられたことでしょう。自我の芽生え自己主張が始まり、更に言葉を発するようになると新生児の時のように良く見て、囁く声を聴くことよりも、子どもの行動を制し、教える対応へと変わって行きがちです。私も子どもを理解できていると勘違し自分本意な対応になってしまう度に、聖書の言葉が今見ていること聴いていることを幸いと受け入れ、良い実を実らせることができる道へと導いてくださるのです。
今年度も神さまが私たちに用意してくださっている出会いや経験を、皆様と共に豊かな実りへと成長させて行きたいと願っています。そのためにも本当に大切なことを見失わず、先ずは見聴きしたことを幸いとできるよう神さまに導いて頂き、共に祈りつつ歩んでまいりましょう。

副園長 岡野きよみ

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