2025年5月園だより
「野の花がどのように育つのか、注意してみなさい」 マタイによる福音書6章8節
野の花は、自分で努力して咲くのではなく、神さまが太陽や雨を与え、時が来れば花を咲かせます。そのように、神様は、それぞれの子どもたちが、それぞれのタイミングで、それぞれのペースで成長していく力を与えてくださっています。私たち大人は、「もっと早く歩けるように」「もっと言葉を話せるように」と焦ったり、他の子の成長と比べたりしてしまいます。でも、野の花の育ちを見守るように、子どもたちの成長も「注意して見なさい」と言われているのです。焦らず、比べず、見守る。そこには「この子も神さまがちゃんと育ててくださる」という信頼が必要です。子どもの成長する力を、親こそが信じてあげましょう。
また、野の花は種類によって姿かたちが違うように、子どもたちもみんな違います。それぞれが神さまの固有の作品です。成長する方向や時期を、親の思い通りにコントロールしないように気を付けましょう。子どもは親とは別の人格です。「我が子」ではあるけれども、「我が物」ではありません。神様がお創りになった独自の人格を持つ尊い存在ですから、親の思い通りにしようとしないことが大切です。何もかも親のコントロール下に置こうとすることは、子どもを縛ることになるし、親自身も、焦りや苛立ちを覚えたり、うまくいかない時に自責の念に駆られたりします。
親として、その時その時に必要なサポートをすべきであることは言うまでもないことですが、その根底で、「この子には、この子なりに育つ力が神様から与えられている」ことを信頼して見守っていくことが一層大切です。親に信頼されていることが感じられれば、子どもは安心して育っていくことができます。「だめな子はいません!」。皆さんのお子さんは、それぞれ神様に望まれて生まれ、神様に愛されてきた大切な存在です。そして、お父さん、お母さん。あなたも同じなのですよ。
理事長 小野慈美