園からのお知らせ

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認定こども園捜真幼稚園2017年9月園だより 

“情熱”?それとも”穏やかさ”?

実家のリフォームが始まり、重い腰を上げて自分の部屋に残していたアルバムや、思い出の品々を片付けることにしました。早く片付けたいと焦る気持ちはあっても、ひとつひとつのものを見入ってしまい、思うように進みません。特に、高校3年生の時に仲間と作り上げた脚本は思い出深かったです。最後の文化祭のために仲間と劇団を結成し、脚本を書き、全てのことを素人が手作りで行ないました。あの時のあの情熱、ひたむきに夢中になった日々がよみがえってきました。脚本は、私を含めて3人で書きました。何度もディスカッションを重ね、イメージを共有して書き上げました。洋服が好きな友だちは衣装を担当し、音楽好きの友だちは音響を担当し、大半の人たちが初めて”演じること”に挑戦しました。主役をした友だちが本当に舞台女優になったことは、私たちの自慢です。
 ”情熱”と”ひたむきさ”―いくつになっても失いたくないな、最近の私はどうだろうか、と考えました。今の私は”情熱””ひたむきさ”よりも”穏やかさ””安定”を大事にしているかもしれません。大人になると、情熱的であることが大人げないと思われている方も少なくないでしょう。
 娘は学童で一輪車に出会い、少し早い誕生日プレゼントとして一輪車をもらいました。朝起きると、玄関に置いてある一輪車にまたがり、学童では学童の一輪車で練習し、私が園から帰ってくると、少しの時間ですが”練習につきあって”と言われます。”情熱”です。”ひたむき”です。でも休みの日に一緒に練習していると、私も夢中になり、ついつい声が大きくなってしまう自分がいました。家でも幼稚園でも、子どもたちから”情熱”をいただいているなと、あらためて思いました。
 イエス様は、おそらくとても穏やかな方だったと思います。イエス様のイメージとしてアンケートをとったら、きっと”穏やかさ”は上位に入ることでしょう。けれども、私はイエス様の中に”穏やかさ”や”優しさ”だけでなく、”情熱”や”強さ”を感じます。特に、イエス様の語られている言葉を読むと、きっと語り口調は穏やかだったと思いますが、その心にあふれる熱いものを感じるのです。
“しかし、わたしが与える水を飲むものは決して渇かない。わたしが与える水はその人の内で泉となり、永遠の命に至る水が湧き出る。”  ヨハネによる福音書4:14
尽きることのない力の源であるイエス様を感じませんか?私たち大人も情熱的であっていいのです。一生懸命に、ひたむきに、何と言われようと夢中になっていいのです。実家のリフォームが終わり、そこに私の残したものは全てなくなりましたが、懐かしい品々を通して大事なものを見出した気持ちになりました。夏休みが終わり、2学期が始まります。イエス様から決して渇くことのない水をいただき、思いを込めて一日一日を過ごしていきましょう。

主幹保育教諭   黒坂 綾子
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