園からのお知らせ

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認定こども園捜真幼稚園2018年10月園だより

希望

  今年も、日本のみならず世界の各地で様々な災害が起こりました。いつ我が身に起こってもと、思う程です。
 私は、今年の7月末に、瀬戸田バプテスト教会に赴任した同い年の牧師を訪ねて、瀬戸内海にあるしまなみ街道沿いの島々を巡ってきました。あまりニュースには報道されていませんでしたが、7月の西日本豪雨による被害は瀬戸内海の島々に及び、一時断水状態となり島によっては土砂崩れで亡くなった方もおられたそうです。私が訪れた時も土砂崩れにより名産のみかん畑にも多大な被害の爪痕が残っており、通行止めの道路や、美しい海にも大量の土砂が流れ込んで濁っていました。改めて行って見ないとわからない事がたくさんある事を痛感いたしました。
しまなみ街道が開通した今では広島県の尾道から瀬戸内海の島々を経由して愛媛県の今治までは車で1時間程で行くことができます。島々は街道が開通する前は、島の裏側に行くにも船が1番の近道であったことなど島での生活に欠かせない交通手段が船であった事をその地を訪ね、実感したしだいです。
 この度訪ねた生口島の瀬戸田バプテスト教会の前身となる講義所は、1899年横浜で献船式が行われた福音丸の船で布教した1人のアメリカ人ビッケル宣教師よって明治時代に設立されました。その頃の瀬戸内海の島に外国人が訪れることは珍しく、島々を巡ってキリスト教を伝えるためにどれ程の偏見の目や迫害を受け、 幾度も押し寄せる苦難や困難に遭遇したことは想像できます。ビッケル宣教師の最初の第一歩は、無謀にも思えた小さな伝道活動から始まっていたこと、それゆえにそこには神様の愛によって苦難も希望をも誇りとし、歩んだビッケル宣教師の偉大な働きが、今も受け継がれていることなど、その功績に触れる貴重な時となりました。
『苦難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生むことを。希望は私たちを欺くことはありません』

ローマの信徒への手紙5章3〜5節

偉大なビッケル宣教師もこの聖書箇所の言葉に希望を生み出し、偉大な働きを行う事が出来たことでしょう。
 私の日々の働きも、本当にちっぽけなに思える働きです。それゆえ、私のような者が保育していて良いのだろうかと思う事が、これまでに何度もありました。しかしここまで仕事を継続して来られたのは、この聖句に後押しされて神様の愛が私に常に希望の光を灯し続けてくださったからです。
 皆さまも、日々の子育て、家事、仕事と自分1人で出来ることの限界や、様々な苦難に押し潰されそうになることもあることでしょう。神様は、私たちに常に愛のエールを注いでくださっています。今学期も神様の愛の中で、希望に生きる日々を皆様と過ごして行きたいと思っております。皆様のもとにも神様からの希望の光が注がれますように、そして災害続きの世界各地の災害被災者が希望を見出せますように祈っております。

副園長 岡野 きよみ
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