園からのお知らせ

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認定こども園捜真幼稚園2020年9月園だより

『あなたがたはわたしの友である』 

 数年前提出されたなつやすみのしおりに、一枚の紙が挟まれていました。その紙の中心の〇の中にトイレそうじの○○さんへと書かれていて、その周りに日付と「今日もトイレきれいだったよ。ありがとう」と、家族からのメッセージがたくさん書かれていました。感謝のメッセージを張り合いに、お手伝いを継続していたのでしょう。微笑ましい家族の姿に、私自身ほっこりとした気持ちになったことをふと思い出しました。
 他者から届く温かいメッセージは、その人の心を育み、誰かのためにと行動する原動力になるものです。しかし、いつも自分の期待通りの反応が得られるわけではありません。文句や要求が返ってくることや、他者の反応に文句を述べ、要求ばかり求めてしまうことも起こります。誰しも他者を大切にし、他者のために行動することの大切さは、知っていますが、自分のように隣人を大切にすることは実に難しいことです。
 聖書のマタイによる福音書22章39 節に、最も重要な掟として「隣人を自分のように愛しない」とあるように、イエスさまも望んでおられたことです。しかしイエスさまの側にいて誰よりもそのことを理解していた弟子たちでさえも、そのことを実行できなかったのです。弟子たちはイエスさまの十字架刑を目の当たりして苦しむイエスさまを見捨て、自分の身を守ろうとイエスさまの元を離れていきます。このことをご存知だったイエスさまは、十字架刑を前にして再度弟子に「わたしがあなたがたを愛したように互いに愛し合いなさい。…私の命じることを行うならばあなたがたはわたしの友である。」(ヨハネ15:12-15)と語られるのです。離れていく弟子たちに向かってたとえ私から離れても、私の命じたことを守るならば、どこまでもあなたの友であることは変わらないと言ってくださるのです。何と深い愛に満ちた心強い言葉でしょう。イエスさまから離れて行った弟子たちも、惜しみない愛を注いでくだるイエスさまの愛に触れ、再び互いに愛し合いながら歩み出します。
 またまだ終わりの見えないコロナ禍では、今までとは違う制限のある生活や変化による息苦しさ、またコロナウイルスに対する様々な恐れなどにより、自分よがりで傲慢で自己中心的な思いに落ち入りやすいものです。その様な今だからこそ、十字架刑を前に自らが苦しみの中にありながら、自分の様に愛してくださったイエスさまの「あなたがたはわたしの友である」との言葉に励まされて、私たちも自分のように互いに愛し合うことを心がけて過ごして行きたいものです。身近な家族や隣人のみならず、世界中の人々のことを自分のように愛しながら、行動することが大切になっていくことでしょう。皆様お一人お一人が互いに愛し合いながら、心豊かに過ごすことできますようにと祈っております。 
                       

副園長   岡野きよみ
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