園からのお知らせ

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認定こども園捜真幼稚園2020年11月園だより

心に寄り添う愛 

  
娘が年中の頃のことです。成長の過程ではありますが、思いを主張することも多くなり、私自身本当に腹の立つことも増えてきていました。そんな時、幼稚園で娘が何をして遊んでいる時も、時間になると1,2歳の子どもたちの手を引いて裏庭から保育室まで連れて行くお手伝いをしてくれると、先生方から聞きました。その姿を私も時々見かけてはいましたが、水遊びをしていても、泥遊びをしていても、その時間になると着替えをすませて定位置で待っているというのです。家で娘にその話を伝え、「よくそのタイミングが分かるね。」というと、娘は真剣な表情で両手を胸に当てて「ママ、心でわかるの」と言いました。「心でわかるから行くの。つき組さんとにじ組さんが待ってるんだもん。」衝撃的な一言でした。”心でわかる”―私は自分の中でその言葉を繰り返し、4歳の娘に神様が働いてくださっていること、”心”を育んでくださっていることをあらためて感謝しました。その”心”で、これから色々なことを感じていくのだろうと思うと感慨深いものがありました。
『私があなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい』ヨハネによる福音書13章34節
                        
この言葉はイエス様のおっしゃった言葉です。十字架にかかる直前だったので、まさに遺言と言ってもいいでしょう。”互いに愛し合いなさい”のところだけを読むと、”思いやりを持って、優しさを忘れないで関わりあおう”という道徳的な言葉のように思ってしまいますが、そうではなく、冒頭の”私があなたを愛したように”の部分がとても大事であることを学びました。イエス様がどのように私たちを愛してくださったのか、今どのように”私”を愛してくださっているのか、園に集うお一人お一人が心で感じられるようにと切に祈ります。
イエス様の愛は、99匹の羊を置いて、たった1匹の迷子の羊を捜しに行く愛です。誰をも見捨てない、その命を尊いとおっしゃってくださる愛です。イエス様の愛は、みんなからの嫌われ者・取税人ザアカイの友だちになってくださる愛です。孤独な心、虚しさを感じている心に寄り添う愛、相手の痛みを共に痛む愛です。
その愛を心に感じた時、人は本当にホッとします。安心します。そして自分らしく、置かれた場所で花を咲かせることができるのです。

主幹保育教諭  黒坂 綾子
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