園からのお知らせ

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認定こども園捜真幼稚園2021年6月園だより

どんなところに置かれても花を咲かせる心を持ち続けよう 

新入園児も園生活に少し慣れ、親しみを覚えた保育者や友だちと過ごせる安心感から、笑顔が見られる様になってきました。慣れた環境の中では、安心して過ごせます。安心して過ごせる安定した生活が続くことを願うことでしょう。
 今年1月、私の日常は一変し、1ヶ月の入院生活を送りました。手術への不安や慣れない病院での生活と共に、仕事に穴を空けてしまう同僚への申し訳ない気持ちや、なぜこの様な状況にと自分への不甲斐なさや焦りを感じていました。ありがたいことに同僚からは、今は治療に専念するようにと暖かく言葉をかけて頂くも、心の中でふつふつと湧き上がる焦る気持ちを拭い去ることができませんでした。どうにもならない自分の身体に焦りを覚えつつ手術後入院していてもできることはないかと頭を巡らせました。
 その時読んでいた聖書の言葉が目に飛び込んできました。『思い煩うのはやめなさい。何ごとにつけ、感謝を込めて祈りと願いをささげ、求めていることを神に打ち明けなさい。』フィリピの信徒への手紙4:6今できないことばかり考え思い煩うのでなく、まずは神様に祈り求めることだと気づかされました。そして焦る気持ちを素直に祈ると、なぜ思い悩むのかと語るイエスの言葉『野の花がどのように育つか考えてみなさい』ルカによる福音書12:27との聖書の言葉が浮かびました。考えてみれば、花は、蒔かれたり植えられた地で、1番美しい花を咲かせ、種を育てまたその種が次の花を咲かせます。であるなら私がすべきは、治療に専念しながら今できることをすることであると気付かされました。
そこで、病院から幼稚園のために祈りつつ、治療の合間にオンラインで受けられる研修や読書をして過ごしました。そしてふと周りを見回してみれば、コロナ禍ゆえに増えた業務で、忙しそうな看護師さんや職員や医師の姿がありました。そこで、日々の感謝や和む言葉を看護師や職員、医師に語りかけ、入院患者の方と励まし合いながら入院生活を過ごしました。するとある日看護師さんが、「岡野さんと話していると元気がもらえる」と思いがけず嬉しい言葉をかけてくださいました。入院中この様な温かい言葉をたくさん受け、つくづくどんな状況でも神様はその場でその人を咲かせてくださる方だと、改めて感謝しました。
故人となられた渡辺和子シスターの著書でベストセラーとなった「置かれた場所で咲きなさい」に、下記の文章が載っています。『どんなところに置かれても花を咲かせる心を持ち続けよう。境遇を選ぶことはできないが、生き方を選ぶことはできる。「現在」というかけがえのない時間を精一杯生きよう。』
 園に集う私たち保育者も子どもたちも、ご家庭の皆様も、必ずしも望み通りの環境に置かれているわけでもなく、またコロナ禍で閉塞感がある中で息詰まりを感じたり、またこれからも園生活で戸惑う事も起こってくることでしょう。野の花を美しく咲かせてくださる神様は、その人にしか咲かすことのできない花を咲かせ、その種から新たなたくさんの花を咲かせてくださる御方です。思い悩まず、今この時を生かしてくださる神様に守られながら、今年一年皆様と共に大人も子どもも、それぞれの花を咲かせながら歩んでいけるようにと祈っております。                                 

副園長 岡野きよみ
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