園からのお知らせ

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認定こども園捜真幼稚園2022年2月園だより

平和があるように

その家に入ったら『平和があるように』と挨拶しなさい。マタイによる福音書 10章12節
昨年末に年中組の数人が、保育者のお手伝いがしたいと言い出し、壁磨きのお掃除をお願いすると、張り切ってしてくれました。お掃除をすることは、綺麗になっていく楽しさと周りの人にも喜んでもらえることであることを味わったのでしょう。その後も子どもたちは、お掃除をお願いすると、喜んでお掃除をしてくれようになりました。
私もお掃除をしている子どもたちにお礼を伝えました。そして「何か印となる物を身に付ければ、周りの人も気付くので用意してあげようか?」と目印となるバッチや帽子や制服などを提案してみました。子どもたちのリクエストは、バッチでした。その日一日子どもたちから「バッチできた?」とせがまれました。翌日、お掃除隊のバッチを渡すと、更に喜んで掃除をする様になりました。その姿に周りの子どもも刺激を受け、メンバーも増え、お掃除隊の遊びは続いていきました。
この遊びの発端は、保育者のお手伝いをしたいと思ったことですが。保育者に喜んでもらえた事が子ども自らも嬉しいと感じたのでしょう。保育者に喜んでもらえる事はないかと、喜びながら掃除しているが姿を見て、周りの友だちも興味を示し、広がった遊びでした。つまり一人を喜ばせる事から始まり、自らも喜びを得ることができ、その喜びがどんどん他者へと広がっていったのです。
子どもたちのこの様な姿を通して私自身、他者が喜ぶためにできる小さなことを見逃さず行うことを心がけたいと思わされた出来事でした。
年明けに今年一年の平和を祈った方も多い事でしょう。聖書の中で弟子たちにイエス様は、訪ねる先でその家の平和があるようにと挨拶することから始めることを進めています。平和を具体的に作り出す上で、平和があるようにと挨拶する事はとても些細な事です。しかし、数人のお掃除隊の喜びが周りの友だちや保育者に広がったように、平和を願う挨拶が家族の平和、自分を取り巻く人の平和へと繋がる事ができるのではないでしょうか。旧約聖書サムエル記上25章6節には『あなたに平和、あなたの家に平和、あなたのものすべてに平和がありますように』と書かれている様に、自分の平和ばかり願うことの多い私たちですが、他者の平和を願う時、他者の平和は巡って自らをも平和へと導いていくのだと思います。
新しい年も平和を願う行動や祈りが、多くの人を平和へ導けますようにと、願わずにはいられません。前述の子どもたちに習い、他者の平和を願いつつ歩んでいきたいと思っています。皆さんも平和を祈り、平和を作り出す者として共に歩んでいきましょう。
                                  

副園長 岡野きよみ

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