園からのお知らせ

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認定こども園捜真幼稚園2017年6月園だより

新しい力

「新しいぶどう酒を古い革袋に入れる者はいない。そんなことをすれば、革袋は破れ、ぶどう酒は流れ出て、革袋もだめになる。新しいぶどう酒は、新しい革袋に入れるものだ。そうすれば、両方とも長持ちする。」

マタイによる福音書 9章17節

 
 先日新聞に、「中学3年生の発言で、その場の雰囲気ががらっとかわった」という記事が載っていました。ある地域でランダムに選ばれた住民の会議が開かれたそうです。テーマは「地域の過疎化をどう防ぐか」今はこの問題を抱えている自治体は多くあることでしょう。つまり、どのようにしたら、人口流出を防ぐことができるのかという問題です。しかしこの議論の途中で、中学3年生の子どもが「なぜ、人口が減ってはいけないのでしょうか。人口が減っても、そこに暮らす人が暮らしやすい場所にしていけば良いのでは」といった発言をしたそうです。すると今まで後ろ向きだった議論が、前向きに変わり、東京から近いのだから、週末に過ごす家を提案したらなど、いろいろな案が出たそうです。
 これからの世界を生きていく子どもたちはまさに、この新しい力が求められていくでしょう。今の大人世代は、到底解決できないような問題が山積しているのに、互いに敵対して事態を悪化させています。自分を正当化するのに躍起になって、相手を攻めています。そんな時、イエス様のみ言葉は私たちに大事なことを教えてくださいます。当時のユダヤ教徒たちは神様のみ言葉を自分たちなりに(大昔に)解釈した律法にしばられて生活していました。ですから、この律法を守れない人は社会的に蔑まれていました。しかしイエス様は、この社会的弱者の友となり、無意味な律法をご自身も破って見せたのです。神様の御心は古くありません。現代の私たちが抱える問題を解決するには、神様の御心を祈り求めつつ、使えるものを総動員して新しい発想をし、新しいシステムを構築し、実行していかねばなりません。神様の御心は「神と人を愛すること」です。このことさえしっかりと持っていれば、日々幼稚園で発想豊かに次々と遊びを繰り出し、試行錯誤を続けている子どもたちは、未来を受け継ぐ人と成長していけると信じています。
 子どもたちは毎日、自主的に創造的に遊びに取り組んでいます。時には挫折も味わい、悶々とした日も過ごします。しかし、必ずそれを乗り越える力を神様は備えてくださいます。そして、大人に言われたからでなく、自分で解決することを体験し、初めて新しい力を身につけていくのです。今年度もどんな挫折があり、どんな大逆転が待っているのか、わくわくしながら、見守っていきましょう。

園長  寺田 千栄
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