園からのお知らせ

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認定こども園捜真幼稚園2022年10月園だより

その人は豊かに実を結ぶ

『人が私につながっており、私もその人につながっていれば、その人は豊かに実を結ぶ』
ヨハネによる福音書15章5節
捜真幼稚園に就職して一年目、私が最も緊張した時間は、朝の祈祷会の時間と礼拝でお話をする時間でした。祈祷会は毎朝行われ、教師たちが順番で担当しています。順番が回ってくると、その日の聖書の言葉を読み、お祈りをします。礼拝のお話はカリキュラムに沿って決められているので、自分の担当になった箇所を学び、準備をして子どもたちに話します。当時の私は、聖書のお話も、お祈りも、書いたものを忠実に読むことに精一杯でした。キリスト教に対しても、神様に対しても迷いがあり、いつも心が葛藤していました。一年目は神様との心の格闘の時期だったように思います。その後、神様を心に受け入れ、神様を信じて生きる決心をしました。そしてだんだんと、祈祷会で共に祈る時間、礼拝をする時間は、私の最も好きな時間、大切にしたい時間になっていきました。
心の格闘の日々の中、担任していたクラスのご夫妻がバプテスマ(受洗)を受けられました。年長組だったのですが、そのお子さんは4月の終わり頃、園で転んで足を骨折してしまいました。教師たちは、みんなでその子どもを支え、日々祈りました。クラスの隔たりなく、彼女が困っている時にはみんなで助けてあげよう、ぶつかったりしないように気を付けていこうと全体に伝えました。つまり、園全体で彼女のことを気遣い、大事にしました。私は、進級してすぐにこのようなことになってしまったことを、ただただ申し訳なく感じていました。その後、お母様と個人面談の時を持ちました。私は、お母様がどんなふうに思っていて何を話されるのか少し心配していました。けれどもその心配とは裏腹に、お母様は園の対応に大変感謝され、「私が体調の悪い時など、娘が祈ってくれるようになりました。みなさんに沢山優しくしていただいたからだと思うのです。私と夫も、神様を信じて生きていきたいと話しあうようになりました。」とおっしゃったのです。私は、うなずきながら話を聞いていましたが、心の中では大変驚いていました。そしてまもなく、教会でご夫婦そろって神様を信じますと告白され(信仰告白)、バプテスマ式が執り行われました。神様との心の格闘の日々を過ごしていた私にとって、このことは衝撃的な出来事でした。こんなことが起こるなんて、神様は一体何者なの?と思いました。それと同時に、捜真幼稚園は一人ひとりが大切にされている園であることをあらためて感じました。子どもたちだけではありません。保護者の方々も、教師たちもです。その人の存在、思いが大切にされ、“そのままでいいよ” “ここにいていいよ”と言ってくれている、そんなふうに感じました。それはまさしく、神様の愛だと気づかされ、翌年、私も導かれました。ご夫妻とは共に教会員となり、親しくさせていただきました。お料理が得意だったお母様がご自宅でお料理教室を始められた時に習いに行ったり、私の結婚の際には祈ってくださったり、出会いとつながりに心から感謝しました。
神様は、ご自身と私たちをぶどうの木にたとえられました。ぶどうの実(私たち)は、木の幹(神様)から離れてしまったら、美味しくなれないし大きくなれません。今月の御言葉は、私たちも神様につながっていることで自分の実を豊かに結ぶことが出来ると教えています。けれども神様は、私たちが頑張ってつながっていようとしなくても大丈夫、と言ってくださっています。それは、神様の方から私たちにつながってくださるからです。そしてさらに、必要な時に必要な人をもつなげてくだるのです。
神様は一体何者なの?と感じた私でしたが、今では思います。神様はつながりの中で、私たち一人ひとりの人生を豊かにしてくださる方です。それは、私が私らしくいられることです。私らしく生きる、私らしく生かされていく、その中に本当の豊かさがあるのではないでしょうか。お一人お一人が神様とのつながりの中で、今日もこれからも、その人らしさが輝いていきますように祈ります。
  

主幹保育教諭  黒坂 綾子

 

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