園からのお知らせ

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認定こども園捜真幼稚園2023年9月園だより

『人はパンだけで生きるものではない』

 

ルカによる福音書4章4節

この言葉は40日間の断食後で空腹であったイエス様が、悪魔から「石がパンになるように命じたらどうだ」と誘惑を受けた際に語った有名な言葉です。また旧約聖書申命記の『人はパンだけで生きるのではなく、人は主の口から出るすべての言葉によって生きることをあなたに知らせるためであった』を引用した言葉でもあります。 人は衣食住に必要な物なしに生きることはできませんが、それだけで生きるものでもなく、主の言葉によっても生きるのだとイエス様は語っているのです。主の言葉の中で1番大切な言葉は、主の愛です。主の愛によって生きることができる主の愛とは、自分を愛する(大切にする)ように他者を愛する(大切にする)愛です。
私はこの夏、弟家族と同居している両親と久しぶりに数日共に過ごしました。このところ急速に衰えている母は、自分が大事だと思う物を、こちらの想像もしないところに隠してしまいます。隠しては取られたなどと言い出し大騒ぎとなり、周りの者が宝探しのごとく探すために時間を費やす事になるのです。訪ねて行った時には、共働きの弟夫婦が一所懸命に介護してくれているのに、その弟夫婦すら責める言葉が多く聞かれた母でした。老いた母の変わってしまった姿を私自身が受け入れ、母の気持ちを受け止めるために、私は主に委ね助けを求めずにいられませんでした。そこで母と何度なく共に主に祈りました。すると私が帰る頃には、母の口から感謝の言葉も聞かれるようになりました。多くの家族と過ごし、神様に共に祈ったことで、母の心も少し落ち着いたのでしょう。主が語る如く、主の愛によって生かされていることを実感した出来事でした。そしてふとマザーテレサの『愛はまず家庭から』との言葉を思い出しました。主の愛を持ってインドのカルカッタのスラムの貧しい人のために生涯を捧げた、有名なシスターマザーテレサのことはご存知の方も多いことでしょう。
マザーテレサは、世の中の混乱、苦しみは家庭、家族生活に愛が失われているからだと、そして愛はまず家庭からといわれました。また、『家庭を慈しみの場、限りなくゆるしあう場としなければなりません。今日では、誰しも非常に多忙になっています。より大きな発展もっと豊かな富、もっともっとと求めて。子どもたちは両親と過ごす時間がなく、両親はお互いのためにさく時間もありません。世界の平和の崩壊は、このようにして家庭の中から始まるのです。』と語っておられます。
 皆様の夏休みはいかがでしたでしょうか?久しぶりに帰省した方や子どもと長時間を過ごした方もおられることでしょう。常に家族がお互いの存在を慈しみ、お互いを大切にする愛の交わりを持ち続けることは、容易ではない時もあります。理想と現実は異なる物です。だからこそ自分だけで背負わず、主の愛の言葉に励まされ、主に委ねつつ自分の心に平安を願い祈ってみては…主の愛があなたをそして家族を包んでくださることでしょう。
 社会の中で生きる大人も子どもも平和に過ごし、また平和を自ら作り出すためにも、それぞれの家庭を主の愛で満たし、愛のある家庭を築かせてくださいと主に祈りつつ今学期も共に歩んでまいりましょう。    

副園長 岡野きよみ

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