2025年10月園だより
“かみさまからのおくりもの”という絵本をご存じでしょうか?大好きな絵本はたくさんありますが、私にとってはその中でも特別な一冊です。絵本の読み聞かせの時だけでなく、礼拝のお話の時にも読んだことがありました。この物語は病院で生まれた赤ちゃんたちが主役です。その一人ひとりが生まれた時に、神さまからの贈り物をいただく様子が描かれています。優しさ、明るさ、歌が好き、力持ち、等々。聖書の中では、それを“賜物”といいます。
この絵本を通して、ひとり一人が唯一無二の存在であることや、かけがえのない命であることを感じさせられます。いちばん最後のページでは、赤ちゃんたちが大きくなった姿が描かれていて、“かみさま すてきなおくりものを ありがとう”という言葉があります。本を閉じていつも思うのは、それぞれに与えられている良いものが、大きくなっても良いものとして尊重され続けることの難しさです。人は、その子にしかない良いものを与えられているにもかかわらず、それが良いものと思えない時があったり、その良いものを他者の良いものと比べてしまうことがあったりします。そこから妬みが生まれ、自己卑下が始まり、喜びが消えていきます。人と人との間に壁ができ、窮屈な中で不平不満が出てきます。我が子の良さ、自分自身の良さ、出会った方々一人一人の良さを、神さまが喜んでくださっているように喜びたい、そのままに喜ぶ者でありたいと切に願います。
『あなたがたはそれぞれ、賜物を授かっているのですから、神のさまざまな恵みの良い管理者として、その賜物を生かして互いに仕えなさい。』ペトロの手紙4:10
今月の聖句は、“神さまが一人ひとりに賜物を与えてくださっている。そのことを喜んで、互いの賜物(神さまの贈り物)を認め合い、活かしあいなさい。共に力をあわせて生きなさい”というメッセージがあると思います。少し聞きなれない言葉、“神の恵みの良い管理者”とはどういうことでしょう。“管理者”とはマネージメントする人のことで、マネージメントには“目標達成”や“組織の成長のための活動”といった意味があります。神の恵みの善い管理者が達成すべき目標とは、この後の11節後半にあるように“神が栄光をお受けになること”です。絵本の最後のページに出てくる子どもたちのように、両手をあげて、「神さま、私たちに素敵な賜物をくださってありがとう!」と、神さまに喜びを伝え、神さまが栄光をお受けになることです。早いもので、今年度も半分を過ぎようとしていますが、これからも、子どもたちと共に、それぞれの賜物を喜びあい、互いを認め合い、力強く“神様、感謝します!ハレルヤ!”と讃美していきたいと思います。
