認定こども園捜真幼稚園2021年10月園だより
この夏57年ぶりに東京で行われたオリンピックは、賛否両論ありましたが無観客ながらも開催されました。子どもたちも刺激を受け、卓球、スケボー、リレー、クライミングなどを楽しんでいます。
特に今回のパラリンピックは長時間、地上波で放映されました。それゆえ私も多くの選手の活躍を目にすることができました。健常者の想像を超える、選手たちの身体を最大限活かしたパフォーマンスに幾度となく驚かされました。その中でも金銀銅5つのメダルを獲得した競泳の鈴木孝幸選手の活躍は、目を見張るものがありました。残された両太腿、右手上腕、左腕と3本の指を巧みに使い泳ぐスピード、けして軽い障がいではない彼のチャレンジは、大会の活躍に留まりません。ある番組で、彼の普段の姿が放映されました。映像の中で、彼はコロナ禍で思うように水泳の練習ができない空き時間に、練習したギター演奏を披露していました。右肘にピックを縛り付け唯一動く2本の右指で弦を押さえギターを弾く姿に、私は衝撃を受けました。想像を超えた発想で取り組む彼の姿に、自分は果たして神様から頂いた身体を最大限活かしているだろうかと、恥ずかしささえ覚えました。鈴木選手の前向きな行動の源は、今の自分を喜んで受け入れているからこそではないでしょうか。与えられた身体を思えば、不可能と思える事ばかりですが、それでも工夫と努力で可能する意欲と行動力には、常に自分には〇〇がないではなく、自分には〇〇があると捉えて歩めるように育てた親の愛があったからではないかと感じさせられました。
それは、今までたくさんの保護者の皆さんと出会う中で、気づいたことです。例え我が子に心臓病や知的障がいであっても、今ある子どもの無いではなく、あるを育てようと子どもの姿そのままを受け入れ、忍耐強く励まし喜びを持って育てている方の子どもは、本当に伸びやかに意欲的ポジティブに成長していたことを知っていたからです。 誰しも、常に鈴木選手のようにポジティブに、自分に無い物よりも、ある物を喜び前向き行動力が取れるわけではありません。彼も過去には、自分のありままの姿に目を向ける事ができない時もあったことでしょう。
聖書には下記の様に書かれています。
『あなたがたの名が天に書き記されていることを喜びなさい』ルカによる福音書10章20節
あなたの名は天に書き記されているとは、神様はあなたを既に知ってくださっていると言うことなのです。自分の能力や成果に関係なく、神様があなたを覚えてくださっていることを喜びなさいと、呼びかけくださる神様の声は私たちを励ましてくれます。既にあなたは神様に認められ受け入れられているのです。だからたとえ私たちが落胆しても、今の自分を喜びなさいと語るイエス様の言葉に励まされて、喜びを持って歩みたいものです。
子育て中の皆様も、自分の子育や子どもの姿に限界や不甲斐なさを幾度となく、感じられて来られたことでしょう。その様な時にも、喜びを持って歩みなさいと励ましくださる神様の愛に支えられながら、困難をも乗り越えて歩んでいきませんか。無い物、できない事でネガティブになるよりも、今あるもの、今できていることに喜びを持って過ごせるように、共に祈りながら過ごすことで与えられる心の平安を感じながら。
今後行われる運動会でも、園児皆が神様頂いている力を喜び持って発揮できるように、できないことでなく、できることを今ある子どものありのままを、保護者の皆さんとも共に喜び合いたいと思っております。